発展期 : 「ユニセクト」というコンセプト

1992年10月、社内共通利用情報システムのプロトタイプ『ユニセクト』を展示会に出展した。当時、企業のコンピュータ活用は汎用機といわれる大型マシンが中心。パソコンをネットワークでつないでビジネスに活用しようという発想自体、その後のダウンサイジングの流れを先取りする画期的なものだった。
「ユニセクトのコンセプトは、いろいろなセクションの統合。つまりネットワークのことです。部門の垣根をネットワークによって取り払えば、データの活用が自由に、もっと便利になっていく。製品化に着手した1980年代後半、まだ一般にネットワークの意味が浸透していなかったので、その思いをユニセクトという言葉に込めました」(本間)
パソコンOSに開発まもない「Windowsバージョン3.1」を、ネットワークOSに「Netware」を採用。GUIに優れ、ネットワークを自在に構築できる、当時として最先端のシステム環境を実現した。ちなみに、1992年度のソフトウェア展示会で、Windows対応の製品は『ユニセクト』だけ。そのため大手コンピュータ会社がメーカーを越えて、こぞって来社したほどだった。

そして1995年4月、それを建設業種向け営業情報全般へと拡大した『ユニセクト』を開発。全社の工事情報をサーバーで一括管理し、入札状況から工事履歴まで、各部門が情報系のパソコンから簡単に取り出せる環境を実現した。さらに業界初のWindows対応の図面編集管理システム『ポップドロウィン』を同時にリリース。設計図面の修正や管理が手軽にできる画期的なデジタル文房具として、現場での人気も高かった。
「いずれも、今では当たり前のものです。けれどもC/S型のシステムにしても、ネットワークにしても、情報系にしても、その時点では実現されていませんでした。あったら便利だねというものに過ぎなかったのです」(本間)
ありそうでない便利なものにチャレンジする。そこに、イノベーションの種がある。

PCのビジネスユースに先鞭

1992.10 『ユニセクト』開発
日本初のWindows対応アプリケーションとして注目される
1995.4 『ユニセクト・モダン』開発
『ポップドロウィン』開発
2001.7 『ユニセクト・クラシック』オラクル版開発
発展期